2026.03.29 — SUNDAY

マーケットニュースダイジェスト

イラン戦争30日目 — 最高裁IEEPA関税違憲判決の余波続く中、ホルムズ封鎖でBrent $112超・BTC極度の恐怖圏

🔴 中東戦争 Day30 🛢 Brent $112.57 💱 USD/JPY ≈160.3 🥇 Gold $4,493 ₿ BTC $66,600 📉 S&P500 6,369 📉 NASDAQ 20,948 📉 Nikkei 53,373

🌍 地政学・社会情勢

中東戦争 原油
イラン戦争30日目:ホルムズ海峡封鎖継続、フーシ派が参戦 — 紛争が地理的に拡大
2月28日の米イスラエル合同攻撃で始まった対イラン軍事作戦は30日目に突入した。3月19日に開始された米軍の「海峡再開」空爆作戦では、イラン海軍艦艇130隻以上と機雷敷設艇44隻を破壊。しかしイランは安価なドローンと機雷、そして有利な地理条件を活かし海峡の支配を維持している。イラン外相は交渉を全面否定する一方、人民元建ての通行料制度を運用し中露印パキスタンなど友好国の船舶のみ通過を許可。3月27日にはイエメンのフーシ派がイスラエルに弾道ミサイル攻撃を実施し、紛争の地理的拡大が確認された。日量1,780万バレルの原油流通が遮断され、1970年代以来最大の供給途絶となっている。
出典: CNN, Al Jazeera, NBC News, Wikipedia — 2026年3月28-29日
外交
トランプ大統領:イラン攻撃期限を4月6日に延長、交渉の進展を示唆するも双方に乖離
トランプ大統領はイランとの交渉が「非常にうまくいっている」と発言し、イランのエネルギーインフラ(発電所)への攻撃期限を4月6日まで延長した。イラン側は今週中に10隻のタンカー通過を許可し善意を示したとされるが、イラン外相は交渉を全面否定。双方の発表に大きな乖離がある。イランは停戦条件として戦争賠償とホルムズ海峡の権利を含む5項目を提示しており、合意への道のりは依然として不透明。米中央軍はサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地へのイラン攻撃で米兵10人以上が負傷したことも確認している。
出典: CNBC, NPR, Al Jazeera — 2026年3月27-28日
関税 最高裁
最高裁IEEPA関税違憲判決の余波 — トランプ政権は通商法301条で80カ国を調査開始
2月20日の最高裁6対3判決(Learning Resources, Inc. v. Trump)でIEEPAに基づく関税が違憲とされ、$1,650億超の関税収入が失われた。トランプ大統領は即日、通商法122条で全輸入品に暫定10%関税を発動(150日間限定)。さらにUSTRが中国・日本・EU含む約80カ国に対し通商法301条調査を開始。$1,300億超の関税還付をめぐりCostco・FedEx含む2,000社以上が訴訟を提起。EU議会は米EU通商合意の批准を前進させ、15%超の新関税には停止条項を付与した。
出典: CNBC, SCOTUSblog, Tax Foundation, Yahoo Finance — 2026年3月26-28日
経済影響
スタグフレーション懸念が拡大 — OECDが米国インフレ予測を4.2%に大幅上方修正
OECDは米国インフレ予測を2.8%から4.2%に大幅上方修正し、ユーロ圏成長予測を1.2%から0.8%に下方修正した。S&P Globalも「ほぼすべての地域でインフレ予測を上方修正、成長予測を下方修正」と報告。マネーマーケットファンドには記録的な資金流入が続き残高は$7.86兆で過去最高を更新。市場は年内のFRB利下げをほぼ織り込まず、逆に10月までの利上げ確率40%を織り込み始めている。中東紛争と関税問題が複合的に作用し、世界経済にスタグフレーションの影が色濃くなっている。
出典: S&P Global, OECD, WEF — 2026年3月28日

💱 為替

USD/JPY
≈160.29
+0.37%
AUD/JPY
≈109.70
-1.90%
GBP/JPY
≈210.13
-0.56%
USD/JPY
円、160円台に下落 — 2024年7月以来の安値圏で介入警戒が最高潮
ドル円は160.29円付近で推移し、2024年7月に政府が為替介入を実施した160円の心理的水準を突破した。週間レンジは158.07-160.42円。片山さつき財務大臣は為替市場に対して「大胆な行動」を取る用意があると発言。日本の原油輸入の94%が中東に依存し、74%がホルムズ海峡を経由するため、原油高が貿易赤字を拡大させ構造的な円安圧力が持続。日米金利差(BOJ 0.75% vs Fed 3.50-3.75%)もキャリートレードを通じたドル買い・円売りを加速させている。YTDでドル円は+2.20%上昇。
出典: Wise, BabyPips, US News, Forex.com — 2026年3月27-28日
AUD/JPY GBP/JPY
豪ドル・ポンド対円はリスクオフで下落 — 中国減速懸念が豪ドルに重し
AUD/JPYは週間高値の111.82円(3/22)から109.70円まで下落。テクニカル指標は弱気優勢(14指標が弱気 vs 12指標が強気)で、来週109.11円への下落も予測されている。豪ドルはコモディティ通貨であるが、中国経済の減速懸念と米中貿易摩擦再燃が追加的な売り圧力をかけている。GBP/JPYは210.13円と前日比0.56%下落。日中レンジは209.19-210.62円。52週レンジは184.36-215.05円と広く、地政学リスクのボラティリティが際立っている。
出典: Yahoo Finance, Investing.com, Wise — 2026年3月28日

🛢 コモディティ

GOLD (XAU/USD)
$4,493
+2.62%
BRENT
$112.57
+4.22%
WTI
$99.64
+5.46%
BRENT WTI
原油、戦争開始以来の最高値を更新 — WTIが一時100ドル突破
Brent原油は$112.57(+4.22%)、WTIは$99.64(+5.46%)で引け、いずれも2022年7月以来の最高水準を記録した。WTIは日中一時$100.04まで上昇。イラン外相の交渉全面否定発言と、ホルムズ海峡でのイラン式通行料制度の運用が市場の懸念を増幅させた。Goldman Sachsは現在の価格にバレル当たり$14-18の地政学リスクプレミアムが織り込まれていると推定。EIAはBrentが今後2ヶ月は$95以上を維持すると予測している。
出典: CNBC, Techi.com, EIA — 2026年3月28日
GOLD
金、$4,493で反発もRSI 27の売られ過ぎ圏 — 週間下落率は1983年以来最大の-11%
金は$4,493で取引を終えた。3月の月間レンジは$4,099〜$5,419と非常に広く、週間ベースでは1983年以来最大の-11%下落を記録。RSIは27.29と売られ過ぎ圏に突入している。下落の主因は(1)FRBのタカ派据え置き(利下げ年1回のみにドットプロット下方修正)、(2)ドル高(DXY 100.50)、(3)原油高→インフレ期待上昇→実質金利上昇、(4)投機筋の利益確定・強制清算、(5)2008年・2020年3月と同様の流動性クランチ。一方、J.P.Morganは年内目標$6,300、ドイツ銀行は$6,000を維持しており、長期強気見通しは崩れていない。
出典: CNN, GoldSilver.com, FinanceMagnates, RoboForex — 2026年3月26-28日

₿ 暗号資産

BTC/USD
≈$66,600
+0.9%
ETH/USD
≈$1,985
-4.05%
Fear & Greed
12/100
Extreme Fear
BTC
ビットコイン$66,600で小幅反発 — 恐怖指数12の極度の恐怖圏、ホエールは買い増し
ビットコインは日曜朝の取引で$66,600付近に小幅反発。金曜の$66,008から約0.9%回復し、一週間の激しいボラティリティ後に統合局面に入った。2025年10月の史上最高値$126,080からは約48%の下落で、年初来-24.6%。3月27日にDeribitで$141.6億相当の四半期オプション満期(2026年最大規模)が到来し、$3億規模のロングポジション清算が急落に拍車をかけた。Fear & Greed Indexは12と「Extreme Fear」圏。一方、Morgan Stanleyが手数料0.14%のビットコインETFを計画し、大口投資家(ホエール)が過去30日で61,000 BTC以上を買い増すなど、機関投資家の蓄積姿勢は健在。
出典: LatestLY, FX Leaders, CoinGabbar — 2026年3月28-29日
MINING AI
マイニング企業がAI事業に軸足移行 — ビットコイン売却圧力の一因に
Bitdeer、MARA Holdings、IRENなどの上場マイニング企業が、高エネルギーコストとハッシュプライスの低下を受けて大規模電力インフラをAI/HPCクラスター向けに転用する動きを加速している。一部マイニング企業は2026年末までに収益の70%をAI事業から得る見込みとの試算もある。このAIデータセンター転換の資金調達のためにBTCを売却しており、市場への供給圧力となっている。
出典: FX Leaders — 2026年3月28日

📈 株式指数

S&P 500
6,368.85
-1.67%
NASDAQ
20,948
-2.15%
日経225
53,373
-0.43%
VIX
31.05
+13.16%
S&P500 NASDAQ DOW
米主要3指数が全面安 — ダウ調整局面入り、マネーマーケットに記録的資金流入
ダウは793ポイント(-1.73%)下落し45,166で引け、直近高値から10%超の下落で調整局面入りが確認された。S&P500は-1.67%の6,368.85、NASDAQは-2.15%の20,948.36。S&P500は5週連続の下落で約4年ぶりの最長連続下落記録。NASDAQは10月の最高値から約12.5%下落しコレクション圏に定着。VIXは31.05と急騰。テクノロジー大手ではNvidia(-2.2%)、Microsoft(-2.5%)、Meta(-4%)が大幅安。マネーマーケットファンドには週間+$386.8億が流入し残高$7.86兆で過去最高を更新、リスク資産からの逃避が鮮明。FRBの利下げ期待後退で10年債利回りは一時4.48%まで上昇した。
出典: CNBC, CNN, S&P Global — 2026年3月27-28日
日経225
日経225は53,373で小幅安 — テック株が重荷、エネルギー関連は堅調
日経225は-0.43%の53,373.07で引け、ウォール街の急落を受けた売りが継続した。半導体・AI関連が下落を主導し、Kioxia(-4.2%)、Advantest(-3.9%)、東京エレクトロン(-3.1%)が大きく売られた。一方、INPEX(+5.27%)や商船三井(+4.38%)などエネルギー・海運株が原油高を好感して上昇。3月の月間下落率は約9.3%に達しており、2月26日につけた年初来高値59,332からは約10%の調整となっている。
出典: Trading Economics, Investing.com — 2026年3月27日

🇯🇵 日本テクノロジー

半導体 Rapidus
Rapidus、官民合計2,676億円の大型投資確保 — SoftBank・Sony・Toyotaら32社が参画
次世代半導体メーカーRapidusが官民合計2,676億円の資金調達に成功した。政府(IPA/METI)が1,000億円、SoftBank、Sony、Toyota、Honda、NEC、Canon、Kioxia、MUFGなど民間32社が1,676億円を出資。IBMも支援に参加する見込み。2nmチップの量産を2028年3月までに目指す野心的な計画で、60社以上がAI・ロボティクス向けチップ設計の協議を進めている。日本の半導体復権に向けた官民一体の取り組みが加速している。
出典: Bloomberg, Investing.com, Nikkei — 2026年2-3月
防衛 AI
政府が科学技術基本計画を改定 — 軍民デュアルユース技術R&D推進、投資目標180兆円へ
日本政府は3月28日、2026〜2030年度の新たな科学技術基本計画を閣議決定した。軍民両用(デュアルユース)技術の研究開発促進を初めて明文化し、官民の科学技術投資目標を120兆円から180兆円に引き上げた。2026年度には経済安全保障分野の「重要技術戦略研究機構」を設立する方針。極超音速滑空弾(HGVP)のテストも成功し、当初2029年の予定を3年前倒しで2026年中の完成を目指す。
出典: The Japan Times, DSEI Japan — 2026年3月28日
Fujitsu ロボティクス
富士通が防衛AI始動 / JST Moonshotが高齢者ケアロボット開発加速
富士通は防衛装備庁(ATLA)からの研究委託で「Fujitsu Accelerator Program for Defense Tech」を立ち上げ、マルチAIエージェントを活用した意思決定支援AIの開発を進める。一方、科学技術振興機構(JST)のMoonshot研究プログラムは、NVIDIAのAI・ロボティクス技術を活用し、2050年までに自律学習ロボットが日常生活に統合される世界を目指す。高齢化社会への対応として、調理・清掃・介護を行うロボットの研究が進行中。
出典: Fujitsu Global, NVIDIA Blog — 2026年3月
EV Sony Honda
Sony Honda Mobility、AFEELA EVプロジェクトを中止 — Honda EV戦略の大転換が波及
Sony Honda Mobility(SHM)は3月25日、初号機AFEELA 1と第2モデルの開発・販売を中止すると発表した。HondaがEV電動化戦略を見直しHonda 0シリーズEV等を中止したことで、SHMが当初利用予定だったHonda側の技術・資産が提供不可能になったことが主因。Hondaは昨年度約70年ぶりの年間赤字を計上。政府はスタートアップ支援として3,500億円を投じ、J-RISE構想で海外トップ科学者の誘致も進める。
出典: CNBC, TechCrunch, BioSpectrum Asia — 2026年3月25日

🔮 考察

USD/JPY
▲ 上昇バイアス継続
上昇要因:原油高が日本の貿易赤字を拡大させ、円への構造的な売り圧力が持続。日本の原油輸入の94%が中東依存、74%がホルムズ経由。日米金利差(BOJ 0.75% vs Fed 3.50-3.75%)によるキャリートレード継続。FRBのドットプロットは年1回の利下げのみに下方修正され、ドル支持要因が強化。

下落要因:160円は2024年の実際の介入水準。片山財務相の「大胆な行動」発言が投機筋を牽制。停戦合意実現時には原油急落→円高の急速な巻き戻しリスク。IMFもBOJに利上げ継続を要請しており、中長期の円安是正圧力。

結論:160円台定着は地政学リスク持続が前提。介入リスクが上値を意識させ、160-162円の膠着を想定。4月6日のトランプ対イラン期限が次の転換点。
AUD/JPY
▼ 下落圧力優勢
上昇要因:豪ドルはコモディティ通貨として資源価格上昇の恩恵を受ける側面。鉄鉱石・石炭の輸出国として間接的な恩恵も限定的にある。

下落要因:リスクオフ環境で豪ドルが売られやすく、週間で111.82→109.70円と下落。テクニカル指標は弱気優勢(14 vs 12)。中国経済の減速懸念と米中301条調査再開が豪ドルに追加的な売り圧力。円は介入警戒が下値サポートに。

結論:108-111円のレンジでの攻防。中東緊張が続く限りリスクオフの売り圧力が勝り上値は限定的。停戦合意時にはリスクオン回帰で反発余地がある。
NASDAQ
▼ コレクション圏で下値模索
上昇要因:テック企業の業績は堅調でAI設備投資トレンドは継続。マネーマーケットファンド残高$7.86兆が停戦合意時のリスクオン回帰で一気に株式に流入する潜在力を持つ。

下落要因:10月高値から12.5%超下落しコレクション入り。FRBの利下げ年1回示唆→高金利環境がグロース株バリュエーションを圧迫。VIX 31超。OECD米国インフレ予測4.2%への上方修正で利上げ確率40%が織り込まれ始める。

結論:20,000ポイント付近が次の重要サポート。4月6日の対イラン期限と通商法301条調査の行方が方向性を決定。停戦合意で真っ先にリバウンドする指数でもある。
日経225
▶ 方向感を模索中
上昇要因:Rapidus 2,676億円の官民投資、科学技術基本計画の投資目標180兆円引き上げなど高市政権の産業政策が積極的。円安が輸出企業の業績を下支え。INPEX等エネルギー関連が指数を支える展開。

下落要因:半導体AI関連のKioxia(-4.2%)、Advantest(-3.9%)、東京エレクトロン(-3.1%)が大幅安。2月26日のピーク59,332から約-9.3%。原油高が企業マージンを圧迫し、BOJ田中委員は1%への利上げを主張。

結論:51,400-55,200円のレンジで方向感を探る展開。米株対比では円安効果とエネルギー株の底堅さでアウトパフォームの可能性。301条調査の日本への影響にも注意。
⚠️ 免責事項・ディスクレーマー
本記事は情報提供のみを目的としており、金融商品の売買の勧誘や投資助言を目的とするものではありません。掲載されている情報は作成時点のものであり、正確性、完全性、適時性を保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。本記事に基づく投資行動による損失について、筆者・サイト運営者は一切の責任を負いません。

本記事に記載されているニュースは、CNBC、Bloomberg、Reuters、CNN、Al Jazeera、Trading Economics、Yahoo Finance、Investing.com、The Japan Times、EIA等の公開情報を参照し、筆者が独自に再構成したものです。各出典元の著作物をそのまま転載・翻訳したものではありません。

金融商品取引法に基づく表記:本記事は金融商品取引法第2条に定める金融商品取引業に該当する行為を行うものではありません。
🏠